平成ヤンキーファッション再燃の深層|令和若者が熱狂する理由と歴史
平成ヤンキーファッション再燃の深層|令和若者が熱狂する理由と歴史の要点や背景を丁寧にまとめました。全体像を一目で把握できます。
かつて平成ヤンキースタイルを語る上で欠かせないインフラが、深夜営業のディスカウントストア「ドン・キホーテ」でした。黄色い圧縮陳列の奥、香水やスウェットが所狭しと積まれた一角は、地方の若者たちにとって唯一無二の社交場であり、最新トレンドの補給基地でした。金色の刺繍が入ったジャージ、ハローキティのサンダル、芳香剤の香りが漂うワンボックスカーの車内。これらは消費社会の辺境に生まれたリアルな「地方都市型ストリートウェア」でした。
現在、古着激戦区である下北沢や原宿のヴィンテージショップを取材すると、奇妙な逆転現象が目撃されます。当時3,000円〜8,000円程度で流通していたノーブランドのジャージや、かつてヤンキー御用達と揶揄されたブランドの90年代タグのアーカイブが、1万5,000円から3万円近いプレミアム価格で取引されています。古着店のオーナーはこう語ります。「今の10代・20代は、これがかつて暴走族や不良の服だったという文脈をほとんど気にしていない。純粋にシルエットの太さや、現代の服にはない極端な刺繍のクオリティを面白がって買っていく」。土着カルチャーが時間を経て、純粋な造形美としてポップカルチャーに回収された好例といえます。