ピアノの鍵盤数はなぜ88鍵?歴史の真実と失敗しない選び方徹底検証

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88鍵が絶対規格となった現代において、明確な意図を持って鍵盤数を拡張した伝説的な名器が存在します。それが、オーストリアの名門ベーゼンドルファー社が誇るフラッグシップモデル「Model 290 インペリアル(97鍵)」です。

このピアノには、通常の最低音(A0)よりもさらに低い「C0(ド)」までの追加低音鍵盤が9鍵増設されており、合計で8オクターブ完全網羅の97鍵を備えています。さらに下位モデルの「Model 225」にも92鍵の拡張仕様が採用されています。

97鍵が開発されたきっかけは、作曲家フェルッチョ・ブゾーニがJ.S.バッハのオルガン曲をピアノ用に編曲する際、オルガンのペダル鍵盤にある超低音(32フィート管の重低音)を再現したいとベーゼンドルファーに直談判したことでした。

演奏者が通常の鍵盤と見間違えて誤打鍵しないよう、追加された9鍵の白鍵は黒く塗装されている(または黒いカバーで覆われる)のが大きな特徴です。これらの超低音鍵盤は直接叩く頻度こそ少ないものの、他の鍵盤を弾いた際に極太の低音弦が豊かに共鳴し、ホール全体を包み込むような圧倒的な倍音効果と重厚な響きを生み出すという音響工学上の大きなメリットをもたらしています。

鈴木 陽菜

鈴木 陽菜

テックライター兼ウェブディレクター

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。

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