金足農業・吉田輝星の現在地と弟大輝の躍進|復活への軌跡を徹底検証
金足農業・吉田輝星の現在地と弟大輝の躍進|復活への軌跡を徹底検証にまつわる最新トピックを分かりやすく発信ます。
詳細を見る
2018年夏の甲子園で吉田輝星投手が残したインパクトは絶大でした。公立の農業高校が私立の強豪校を次々と撃破し、決勝で大阪桐蔭に敗れるまで1人で投げ抜いた大会通算881球という数字は、高校野球ファンの胸に深く刻み込まれています。同年秋のドラフト会議では外れ1位で北海道日本ハムファイターズが単独指名し、大きな期待とともにプロの世界へ飛び込みました。
プロ1年目の2019年6月12日、広島東洋カープ戦で初登板初勝利を挙げた際は順風満帆に見えたキャリアでしたが、次第にプロの厚い壁が立ちはだかります。先発ローテーション定着を目指す過程で、投球フォームの微調整が直球本来のホップ成分を損なう結果を生み、被打率の上昇や制球の乱れに直結しました。当時の特番インタビューや手記において、本人は以下のように葛藤を吐露しています。
「高校時代の感覚を取り戻そうとすればするほど、プロの打者には捉えられる。自分の生命線である真っ直ぐが通用しないのではないかという恐怖心と常に戦っていた」
日本ハム首脳陣も先発・ロングリリーフ・セットアッパーと多様な起用法を試みましたが、抜本的なブレイクスルーには至りませんでした。そうした状況下で持ち上がったのがオリックスへのトレードです。山本由伸投手(現ロサンゼルス・ドジャース)や山下舜平大投手らを育て上げたオリックスの育成システムに身を置くことは、吉田投手にとっても自身のアイデンティティを再構築するための最適な選択肢となりました。