入れ墨とタトゥーの違いとは?歴史や針の深さ・温泉ルールを徹底比較
入れ墨とタトゥーの違いとは?歴史や針の深さ・温泉ルールを徹底比較についての最新情報をお届けします。
ネット上のQ&AサイトやSNSで頻繁に見受けられるのが、「タトゥーは皮膚の浅い層(表皮)に針を入れ、入れ墨は奥深い層まで針を刺す」という言説です。しかし、皮膚科学の見地から結論を述べると、針を入れる深さに両者の違いは一切ありません。
人間の皮膚は、外側から順に「表皮(厚さ約0.1〜0.2mm)」「真皮層(厚さ約1〜3mm)」「皮下組織」の3層構造になっています。仮に表皮にしか色素を入れなければ、約4〜6週間のターンオーバー(新陳代謝)によって角質とともに色素は完全に排出されてしまいます。そのため、絵柄を半永久的に定着させるには、代謝が極めて遅い真皮層の深さ1〜2mm付近へ確実にインクを届けなければなりません。この生物学的プロセスは、和彫りの彫り師による手彫りであれ、電動タトゥーマシンによる施術であれ完全に共通しています。
一方で、施術時の「痛み」や皮膚へのダメージには技法による差異が見られます。伝統的な手彫りは、先端に複数本の針を取り付けた道具(のみ)を使い、彫り師の手加減と皮膚の張り具合(突っ張り)を指先で微細に感知しながら一針ずつ色素を押し込みます。対してタトゥーマシンは、電磁石やモーターの回転によって毎分数千回の高速ピストン運動で針を均一に上下させます。痛みの感じ方には個人差があるものの、施術時間の長さや彫る部位(骨の近く、皮膚が薄い関節部など)によって激しい痛みを伴うため、近年では事前に麻酔クリーム(リドカイン軟膏など)の処方を受けるケースも見受けられます。