愛猫の腹水と肥満の決定的な違い!触感で見分ける危険サインと最新治療
愛猫の腹水と肥満の決定的な違い!触感で見分ける危険サインと最新治療の見逃せないポイントを一挙に解説しました。
腹水とは、血液中の液体成分が血管外へ過剰に漏れ出し、腹腔内に貯留した状態を指します。生体内の血管内圧の上昇、血漿膠質浸透圧の低下、血管壁の透過性亢進、あるいはリンパ液の還流障害によって引き起こされます。猫のお腹が膨らむ理由 詳細まとめとして、臨床現場で遭遇頻度の高い5大疾患を紐解きます。
なかでも、若齢の猫において最も警戒すべき病態が猫伝染性腹膜炎(FIP) 腹水の貯留です。多くの猫が体内に保有している無害な「猫腸コロナウイルス」が、猫の体内(マクロファージ内)で突然変異を起こし、強毒性のFIPウイルスへと変異することで発症します。FIPには滲出型(ウェットタイプ)と非滲出型(ドライタイプ)があり、腹水が溜まるのはウェットタイプです。全身の血管に激しい血管炎が誘発され、血管から大量の血漿成分が漏れ出します。FIPによって生じる腹水は、「黄色く透明感があり、触ると粘り気(糸を引くような粘稠性)がある」という極めて特異的な性質を持ちます。
FIP以外にも、成猫からシニア猫にかけては多岐にわたる深刻な猫 腹水 原因と病気が存在します。
- 心不全(肥大型心筋症など):猫の心筋症は無症状のまま進行することが多く、心臓のポンプ機能が低下して静脈圧が上昇すると、血液の液体成分が腹水や胸水として漏出します。高齢猫だけでなく、遺伝的素因を持つ若〜中年齢の純血種(メインクーン、ラグドール、アメリカンショートヘアなど)にも多発します。
- 肝疾患・門脈圧亢進症・肝硬変:肝臓は血中の水分を血管内に保持する重要なタンパク質「アルブミン」を生成する工場です。肝機能が壊滅的に低下すると低アルブミン血症に陥り、浸透圧が低下して水分が血管外へ漏れ出します。また、肝硬変により血管が圧迫されて門脈圧が上昇することも腹水の引き金になります。
- 悪性腫瘍(がん・リンパ腫・癌性腹膜炎):腹腔内の臓器(消化管、肝臓、脾臓など)に発生した腫瘍細胞が腹膜に散らばる(播種する)と、激しい炎症によって血性(赤褐色)の腹水や混濁した滲出液が溜まります。中高齢猫における腹水の代表的な原因です。
- 低アルブミン血症(腎疾患・蛋白漏出性腸症):重度の腎臓病によって尿中にタンパク質が漏れ出したり、腸の炎症によって栄養が吸収できずタンパク質が失われることで、血管内の水分を引き留められなくなります。