古賀稔彦の生涯と一本背負いの伝説|劇的金メダルから子供たちの今
古賀稔彦の生涯と一本背負いの伝説|劇的金メダルから子供たちの今を詳しくリサーチ! 読者が気になる 情報と解説を分かりやすく展開します。
古賀稔彦氏を語る上で欠かせない代名詞が「平成の三四郎」という異名です。富田常雄の小説『姿三四郎』の主人公のように、小柄な体躯でありながら自分より遥かに大きな猛者を鮮やかに投げ飛ばす姿に由来しています。元号が昭和から平成へと変わった1989年、世界選手権71kg級を初制覇した頃からメディアやファンの間で定着し、名実ともに日本柔道の象徴となりました。
その強さを支えた最大の武器が、切れ味鋭い一本背負いでした。古賀氏の背負い投げは、教科書通りの引き手と釣り手を持つスタイルとは一線を画していました。相手の右襟を両手で深く握り込み、懐深くに一瞬で潜り込んで跳ね上げる「変則一本背負い」は、分かっていても防げない魔球のような破壊力を誇りました。佐賀県から上京し、名門・講道学舎で培った徹底した基本と、世田谷学園高校、日本体育大学へと進む中で磨き抜かれた瞬発力が、唯一無二の必殺技を完成させたのです。
体重無差別で争われる全日本選手権でも、古賀氏は71kg級の体格でありながら重量級の巨漢を次々と撃破し、1990年には決勝まで勝ち上がって準優勝を果たすという快挙を成し遂げました。「柔よく剛を制す」を現代の畳の上で体現したその勇姿は、単なる階級別王者の枠を超え、国民的な英雄として愛される所以となりました。