小河内ダム貯水率の最新状況と東京の水不足リスク|取水制限の真相を追う

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奥多摩湖の水位低下を引き起こす主原因は、第一に水源地域における累積降水量の不足ですが、それだけではありません。下流に位置する浄水場(金町浄水場や朝霞浄水場、境浄水場など)への計画的な放流や、他水系の状況に応じた運用調整も水位に直接反映されます。

東京の水供給構造を理解する上で外せないのが、水源の内訳です。東京都が使用する原水の約80%は利根川水系および荒川水系から取水されており、小河内ダムを擁する多摩川水系は約20%に過ぎません。

水系・ダム名東京都の水源依存割合主な役割と運用特性渇水時の影響とリスク評価多摩川水系(小河内ダム・奥多摩湖)約20%東京都専用の貯水池。利根川水系の渇水時に緊急放流を行い、都内全体へ水を融通する最後の防衛ライン。単独で水位が下がっても利根川水系が健全なら大規模断水の危機は極めて低い。利根川上流ダム群(矢木沢・奈良俣・八ッ場等)約70〜75%(荒川含む)関東1都5県の共同水源。首都圏全体の日常的な水需要を支える基幹インフラ。ここが渇水に陥ると利根川水系で10〜20%の取水制限が発動し、小河内ダムからの肩代わり放流が開始される。荒川水系(浦山・滝沢・二瀬ダム等)約5〜10%埼玉県・東京都へ供給。利根川からの導水路(武蔵水路)を通じて相互に連携。秩父地域の降雨量に左右され、局地的な少雨時に取水調整の対象となる。

利根川水系や荒川水系の貯水率が順調である場合、仮に小河内ダムの水位が低下していても、都内全体の水道供給が逼迫することはありません。逆に、利根川上流のダム群で水不足が発生した場合、東京都は利根川からの取水量を減らし、その不足分を小河内ダムから多摩川へ放流してカバーする「水源の広域融通」を実施します。このバックアップ出動こそが、奥多摩湖の水位が一気に低下する典型的な構造要因です。

中川 明日香

中川 明日香

ビジネス戦略アナリスト

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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