可憐な小花に衝撃の命名!イヌノフグリの正体とオオイヌノフグリの真実

話題沸騰中の 可憐な小花に衝撃の命名!イヌノフグリの正体とオオイヌノフグリの真実について、多角的な視点をご紹介しています。

直径数ミリメートルの淡い花を咲かせる植物に、なぜ「イヌノフグリ(犬の陰嚢)」という強烈な名が付けられたのでしょうか。その直接的な理由は、受粉後に実る果実の形状にあります。花が落ちた後に膨らむハート型を逆さにしたような2つの球状の果実(蒴果)が、ちょうど雄犬の睾丸を連想させることから、古くより庶民や本草学者の間でそう呼ばれるようになりました。

この名称に関してインターネット上や巷間で頻繁に見られるのが、「植物学の父・牧野富太郎博士が名付けた悪ふざけのような名前」という言説です。しかし、植物史の記録を紐解くと、これは明らかな誤解であることが分かります。江戸後期の天保年間に飯沼慾斎が著した本格的な植物図譜『草木図説』において、すでに「イヌノフグリ」の図と名称が明確に収録されています。

牧野富太郎博士が実際に関わったのは、明治23年(1890年)に東京・北豊島郡(現在の北区周辺)で採取されたヨーロッパ原産の帰化植物に対する命名です。牧野博士は、日本に自生していた在来種イヌノフグリに草姿が似ており、花が一回り大きいことから、新来の植物を「オオイヌノフグリ」と名付けました。つまり、イヌノフグリの名前の由来は江戸時代以前の素朴な写実的命名法にあり、牧野富太郎の命名理由は既存の在来種との対比に基づいた学術的整理の結果でした。

前田 葵

前田 葵

サステナビリティ研究家

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。

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