中央発條の現在地|事故の真相と年収・株価から見る2026年の実像
中央発條の現在地|事故の真相と年収・株価から見る2026年の実像の特集記事を解説します。専門的な知識が詰まっています。
「電気自動車(EV)が普及すると、ばねメーカーの仕事はなくなるのではないか」という市場の懸念は、部品構造を正しく理解していない典型的な誤解です。エンジンがモーターに置き換わろうとも、車輪を支え、走行安定性と乗り心地を担保するサスペンション機構は存続します。
むしろ、床下に巨大なバッテリーパックを搭載するEVは、同クラスの内燃機関車に比べて車両重量が200kg〜400kg増加します。車重の増加はサスペンションばねやスタビライザに対して、より過酷な荷重耐性と疲労強度を要求することを意味します。単に太く重いばねにするのではなく、軽量化と高強度化を極限で両立させる特殊成形技術や新素材開発が不可欠であり、中央発條が長年培ってきた冷間・熱間成形技術の付加価値は一段と高まっているのです。
一方、課題となるのはコントロールケーブル事業です。シフトレバーとトランスミッションを機械的に結ぶケーブルは、電子制御化(シフトバイワイヤ)の進展によって漸減傾向にあります。これに対し同社は、パーキングブレーキ系やドアロック系などのアクチュエータ領域、さらには医療機器や産業機械向けといった非自動車分野への技術転用を進め、ポートフォリオの多角化を急いでいます。