島人ぬ宝の本当の意味とは?何も知らない歌詞に秘めた感動の真実
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苦悩の淵にあった比嘉栄昇が突破口を求めたのは、自らのルーツである母校・石垣市立石垣中学校の生徒たちでした。比嘉は学校側に協力を仰ぎ、全校生徒に向けて「みんなにとって島の宝物とは何か」というテーマで作文やアンケートを書いてもらう依頼を出しました。
集まった数百枚もの原稿用紙には、大人が構想するような高邁な歴史観や政治的メッセージではなく、子どもたちの瑞々しい日常が飾らない言葉で綴られていました。
「満天の星空を眺めるのが好き」「夕暮れの波の音が落ち着く」「おじいとおばあが教えてくれた民謡の響きが好き」。そこにあったのは、難しい知識や肩書きではなく、日々の暮らしの中で肌で感じている五感の記憶そのものでした。机一面に広げられた作文を一枚一枚読み進めた比嘉は、涙を流しながら「知ったかぶりをする必要はない。知らないことを恥じるのではなく、ここにある温もりを大切に思う気持ちこそが宝なのだ」と確信したと語っています。
生徒たちの純真なフレーズを比嘉が丁寧に拾い上げ、再構成して生まれたのが『島人ぬ宝』の歌詞です。クレジットこそ「作詞・作曲:BEGIN」となっていますが、実質的には石垣島の子どもたちとBEGINによる魂の共同制作でした。