観測史上最大524M!リツヤ湾大津波の発生メカニズムと生還の真相
観測史上最大524M!リツヤ湾大津波の発生メカニズムと生還の真相に関する専門家の意見を丁寧に解説いたします。
リツヤ湾大津波の原因を「単なる巨大地震の津波」と捉えるのは科学的に誤りです。直接の引き金となったのは、湾の直下を走るフェアウェザー断層を震源とするマグニチュード7.8(モーメントマグニチュード8.3)のアラスカ地震でした。しかし、この地震そのものが500mを超える波を作ったわけではありません。決定打となったのは、激震によって引き起こされた「超巨大な山体崩壊」でした。
湾の最奥部にあるギルバート・インレット(Gilbert Inlet)背後の険しい山肌から、推定約3,000万立方メートル(重量にして約9,000万トン)という途方もない体積の岩塊と氷塊が一塊となり、標高約914mの高さからほぼ垂直に湾内へと崩落したのです。これは、巨大な高層ビル群が丸ごと海へ投げ落とされたに等しい衝撃でした。
狭く細長いフィヨルドという特殊な地形において、水の逃げ場はありませんでした。落下の衝撃で押し出された海水は、対岸の山腹めがけて猛烈な勢いで吹き上がり、斜面を駆け上がって高さ524mの地点まで到達しました。さらに、その反動で湾口へと向かった波は、時速約160km(秒速約45m)という猛スピードで湾内を突進していったのです。これが、物理学と地質条件が最悪の形で結びついて発生した「メガ津波」の真のメカニズムです。