なぜ警察のモンタージュ写真は怖いのか?不気味の谷と心理学が暴く違和感の正体

なぜ警察のモンタージュ写真は怖いのか?不気味の谷と心理学が暴く違和感の正体について知っておくべき 理由を厳選して解説いたします。

日本において「モンタージュ写真の恐怖」を語る上で避けて通れないのが、1968年に発生した「府中三億円事件」です。白バイ警官に扮した犯人のモンタージュ写真は、日本全国に何百万枚も配布され、新聞やテレビをジャックしました。昭和から平成にかけて、この写真を教科書やテレビ特番で見て夜眠れなくなったという体験談は無数に存在します。

しかし、この写真には警察史に残る衝撃的な真相が隠されていました。

事件当初、警察庁が公開したあの写真は、架空のパーツを組み合わせた純粋なコラージュではなく、事件直後に自殺した実在の容疑者グループの少年の顔写真(遺影)をほぼそのままベースに使い、ヘルメットや一部のパーツを切り貼りしたものだったことが後年の報道や捜査検証で明らかになっています。

当時の捜査員の手記やノンフィクション作家の調査資料によると、警察内部では「実在の青年の写真を使うことで精度を高めようとした」とされていますが、結果として以下のような深刻な弊害をもたらしました。

  • 無関係な一般人への冤罪と捜査の迷走:写真があまりにもベースとなった少年の顔そのものだったため、真犯人とは異なる特徴に捜査本部全体が縛られ、有力な手がかりを見落とす原因となった。
  • 国民への心理的ショック:実写の持つ生々しさと、死者の写真から切り取られた無機質な表情が合成の歪みと混ざり合い、視覚的なトラウマとして人々の記憶に刻み込まれた。

この三億円事件の大失態を機に、日本の警察組織は「実在する個人の写真をそのままベースにしたモンタージュの作成」を原則禁止し、パーツごとの合成や似顔絵捜査官の育成へと大きく方針を転換することになりました。

橋本 菜々子

橋本 菜々子

トレンドリサーチャー

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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