原価割れとは?あえて赤字で売る理由と独禁法違反の境界線を解説

原価割れとは?あえて赤字で売る理由と独禁法違反の境界線を解説とはどんな影響があるのか? 背景や要点を丁寧に紐解いて紹介します。

インターネット上のQ&AサイトやSNSでは、価格に関する誤解が数多く散見されます。特に多い3つの盲点を整理しておきましょう。

まず最大の誤解は、「原価以下で売れば一律で法律違反になる」という思い込みです。前述の通り、日本は自由経済を採用しており、自らの資産をいくらで売却するかは原則として事業者の自由です。破産寸前の事業者が在庫を10円で投げ売りしても、競合を潰す目的や市場支配の意図がなければ、不当廉売には問われません。

次に多いのが、「原価」の定義に関する混同です。一般に言われる原価には、商品そのものの「仕入原価」と、人件費や店舗家賃、配送費などの販売経費を加えた「総販売原価」の2種類があります。日々のセールで「原価割れ」と呼ばれているものの多くは、仕入原価には利益が乗っているものの、人件費などの固定費を含めると赤字になる状態(粗利はあるが営業利益がマイナス)を指しているケースが多々あります。公取委が最も厳しく審査するのは、人件費どころか「仕入れ値そのものを下回っているかどうか」という点です。

さらに、広告表現上のリスクも見落とせません。「赤字覚悟の原価割れセール」と大々的に宣伝しながら、実際には十分な利益を乗せた価格で販売していた場合、不当廉売ではなく景品表示法違反(有利誤認表示)に問われるリスクがあります。消費者を欺く誇大広告は、公正取引委員会や消費者庁から厳しい追及を受ける要因となります。

山田 真由

山田 真由

自動車・モビリティライター

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。

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