大河ドラマ『炎立つ』が今なお絶賛される理由と圧巻の全貌
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本作のキャスティングにおいて、後世の語り草となっているのが渡辺謙さんが初代・藤原経清と四代・藤原泰衡の「一人二役」を務めたことです。奥州藤原氏の「興起」と「滅亡」という両極の主人公を同一の役者が演じることで、一族に流れる逃れられない血の宿命と因果応報のドラマが鮮烈に際立ちました。
役名キャスト作中での役割・キャラクター性演技の見どころ・評価藤原経清(第1部主演)渡辺謙陸奥府庁の官人から安倍氏に婿入りし、蝦夷の誇りに殉じる初代の父。朝廷への裏切り者と罵られながらも誇りを捨てず、鋸挽きの極刑に散る最期が壮絶。藤原泰衡(第3部主演)渡辺謙秀衡の跡を継ぎ、鎌倉の圧力と義経の存在に揺れる奥州藤原氏第四代当主。父・経清の剛毅さとは対照的に、時代の荒波に押しつぶされる苦悩と狂気を繊細に表現。藤原清衡(第2部主演)村上弘明経清の息子。家族を惨殺される悲運を乗り越え、平泉の黄金文化を創始。岩手県出身の村上弘明が放つ気品と、地獄を見た男の静かなる覚悟が絶賛された。源義経(第3部)野村宏伸平家追討の英雄でありながら兄・頼朝に追われ、再び奥州へ落ち延びる悲劇の武将。軍事の天才でありながら政治音痴という孤独な純粋さを好演。源頼朝(第3部)林隆三武家政権の樹立を目指し、冷酷無比な政治判断で奥州平泉を狙う鎌倉殿。情緒を排したリアリズムの政治家像を重厚な存在感で提示。藤原秀衡(第3部)渡瀬恒彦奥州藤原氏第三代。「北の王者」として君臨し、平泉の黄金期を維持した名君。包容力と底知れぬ威厳を持ち、頼朝に対抗しうる唯一の巨木として君臨。
さらに、第1部・第2部を支えた安倍頼良(後の頼時)役の佐藤慶さんや、妖艶さと母の情念を併せ持った結有(ゆう)役の古手川祐子さんなど、実力派キャスト陣による濃密な人間模様が展開されます。人物相関図は世代交代とともに複雑に入り組みますが、どの時代においても「一族の血筋をいかに残し、東北の独立を守るか」という一点が貫かれており、群像劇としての完成度は極めて高い水準にあります。