四国お遍路のリアル2026|費用と日数、挫折しない回り方を全解剖

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四国遍路を志すにあたり、最初に直面するのが巡礼ルートの選定です。霊場は四国4県を時計回りに巡る構造となっており、それぞれ精神的な修行段階を象徴する「道場」に見立てられています。

阿波(徳島県)の「発心の道場(1番〜23番)」で志を立て、土佐(高知県)の「修業の道場(24番〜39番)」で太平洋を望む過酷な長距離に耐え、伊予(愛媛県)の「菩提の道場(40番〜65番)」で迷いを断ち切り、讃岐(香川県)の「涅槃の道場(66番〜88番)」で悟りを開いて結願(けちがん)を迎える――これが何百年と受け継がれてきた順打ちルートの詳細まとめであり、理にかなった精神的成長のプロセスです。

一方で、俗説として広く知られるのが「逆打ちは順打ちの3倍のご利益がある」という言説です。その由来は、強欲を悔いた伊予の大富豪・衛門三郎が弘法大師に許しを請うため、大師を追って時計回りに20回巡るも会えず、逆回り(反時計回り)に巡った21回目に命尽きる間際、ようやく大師に巡り合えたという伝承に起因します。

特に閏年(うるうどし)の逆打ちは功徳が格段に増すと信じられていますが、取材班が霊場関係者やベテラン先達に取材を重ねたところ、極めて現実的な警告が浮き彫りになりました。初心者向け四国お遍路の回り方として、いきなりの逆打ちは全く推奨できません。

四国の山道や遍路道に設置されている案内板、道標、石碑の約9割は「順打ちの視界」に合わせて設置されています。反時計回りに進むと分岐点での案内板が背後を向いており、死角となって見落とすリスクが激増します。険しい山岳地帯が連続する区間では、逆打ちによる道迷いが日没遭難に直結する危険性があります。まずは基本に忠実に、1番霊山寺(徳島県鳴門市)からスタートする順打ちを選択することが、無事故で結願するための絶対原則です。

また、一度の旅ですべてを巡る「通し打ち」に縛られる必要はありません。近年の巡礼者事情を俯瞰すると、区切り打ちと通し打ちの比較において、圧倒的多数を占めているのは区切り打ちです。1回につき1週間程度、あるいは県ごとに日程を分け、何年かかけて88ヶ所を満願するスタイルが定着しています。無理な連続休暇を取って疲弊するよりも、日常の合間に定期的なリトリートとして組み込む区切り打ちこそ、現代の生活リズムに適した持続可能なアプローチです。

佐藤 大輔

佐藤 大輔

シニアコンテンツプロデューサー

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

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