なぜ青年将校は暴走したか?二・二六事件の真相と昭和天皇激怒の裏側
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襲撃部隊は綿密な計画のもと、ターゲットと定めた政府重臣たちの私邸へと雪崩れ込みました。
特に痛ましい犠牲となったのが、当代随一の財政家として知られた高橋是清大蔵大臣です。高橋は世界恐慌から日本経済をいち早く脱出させた功績者でしたが、インフレ防止と財政再建のために軍事予算の抑制を断固として主張していました。これが軍部の激しい恨みを買う結果となり、赤坂の私邸で就寝中を急襲され、無残にも銃撃・刺殺されたのです。
一方で、奇跡的な生還劇を演じたのが岡田啓介首相でした。首相官邸を襲撃した反乱軍は、岡田の義弟で風貌が酷似していた松尾伝蔵元陸軍大佐を首相と誤認して射殺。岡田本人は女中部屋の押し入れに身を潜めて難を逃れ、翌日、弔問客の混乱に紛れて官邸からの脱出に成功しました。最高指導者の生死をめぐる情報の混乱は、反乱鎮圧のプロセスに大きな影を落とすことになります。