秋ジャガイモのキタアカリ栽培!芽が出ず腐る原因と休眠打破の極意
秋ジャガイモのキタアカリ栽培!芽が出ず腐る原因と休眠打破の極意の注目ポイントを分かりやすくまとめてご紹介します。
秋ジャガイモとして一般に普及している「デジマ」や「ニシユタカ」は秋植えに最適化された暖地向け品種ですが、あえてキタアカリに挑む栽培者が直面する最大の壁は「休眠(きゅうみん)」の深さと土壌腐敗菌の繁殖です。
ジャガイモには、収穫後に一定期間芽を出さずに休眠する生理生態があります。休眠期間は品種によって大きく異なり、秋植え適性の高い品種が収穫後30日〜50日程度で自然に休眠から目覚めるのに対し、北海56号を母に持つキタアカリは80日〜90日前後という長い休眠期間を必要とします。春に収穫した種芋を晩夏に植えようとしても、植物生理学的には「深い眠りの真っ只中」にあり、地中に埋めても発芽ホルモンが働かない状態が続きます。
さらに致命傷となるのが、日本の8月下旬から9月にかけての厳しい残暑です。降雨後の畑では地温が30度を超える環境が生じやすく、活動を停止している種芋は呼吸困難に陥ります。そこへ土中の軟腐病(なんぷびょう)菌や黒あし病菌が侵入し、細胞膜が熱ストレスで脆くなった種芋をわずか数日でドロドロに腐敗させてしまうのです。
春植えのように「大きなイモを切断してから植える」行為は、秋作では命取りです。春の冷涼な土壌では切り口にコルク層が形成されて防壁となりますが、残暑の多湿な土壌ではコルク層が完成する前に細菌が侵食します。秋植えで失敗するケースの約8割は、「休眠から覚めていない未発芽の芋」を「切り分けて植え」、残暑で土壌細菌に侵されるという共通項に起因しています。