親子の縁を切ることは法的に可能か?戸籍・遺産・扶養義務の真相
親子の縁を切ることは法的に可能か?戸籍・遺産・扶養義務の真相とは一体何なのか? 背景や要点を丁寧に紐解いて紹介します。
親との決別を図る人が真っ先に検討するのが、戸籍の手続きです。「戸籍を分ければ親の名前が消える」という言説がネット上で散見されますが、これは明白な誤解です。成人(18歳以上)であれば、役所に提出できる分籍届の手続きによって、親の戸籍から単独で離脱し、自分を一筆頭者とする新しい戸籍を編製できます。しかし、親子の縁を切る戸籍の運用において、分籍後の新戸籍であっても「父」「母」の欄には実親の氏名がそのまま記載され続けます。血統の証明という戸籍制度の根本構造上、実親の存在を抹消する裏ワザは存在しません。
では、分籍には全く意味がないのかといえば、そうではありません。分籍によって親とは別個の戸籍謄本が作られるため、親が自分の戸籍を取得しても、分籍した子どものその後の婚姻歴や転籍先などの追跡をワンステップ複雑化させることが可能です。さらに自立の意思を明確にする心理的な区切りとしても機能します。
物理的な追跡を封じる上で最も強力な公的制度が、住民票閲覧制限(住民基本台帳事務における支援措置)です。毒親からのストーカー行為、暴力、過干渉から逃れるため転居した場合、親が役所で住民票の写しや戸籍の附票を請求すれば、新住所はいとも簡単に特定されてしまいます。この情報流出を遮断するのが支援措置です。
毒親との絶縁準備を進める際、支援措置の認可を受けるには要件があります。単に「仲が悪い」「顔を見たくない」という理由では受理されず、警察署の生活安全課や配偶者暴力相談支援センター、児童相談所などに事前相談し、「暴力や生命の危険、執拗な付きまとい被害を受けている」という相談実績を作ることが必須となります。警察からの意見書を取り付けた上で新住所地の役所に申請を行うことで、親側からの住民票交付請求を厳格にブロックできます。