知る」の尊敬語、実はNg?プロが教える失礼にならない敬語の使い方
知る」の尊敬語、実はNg?プロが教える失礼にならない敬語の使い方に関する質問を分かりやすくまとめました。詳細な解説をご覧ください。
ビジネスパーソンが最も警戒すべきトラップが、「知る」「了解する」を巡る敬語の混同である。その最たる例が、取引先や社内の目上の上司に対して「この件、ご承知おきください」とメールで送ってしまう致命的なミスだ。
「承知」という単語は、本来「依頼や命令を承る」「事情を了解する」という意味を持つ、自らを低くする謙譲表現の語幹である。これに接頭辞「ご」を付け、末尾に「ください」を添えたとしても、相手に対して「知っておけ」「了解して心に留めよ」と要求する命令形であることに変わりはない。本来は同僚や部下、あるいは自社が優位な立場で事務的な取り決めを通達する際にしか使えない表現なのだ。
この事実を把握せず、社外の重要顧客や役員に向かって「何卒ご承知おきください」と発信することは、「私からの通告を了解しておきなさい」と指図しているのと同義であり、受け手側からすれば著しい礼儀知らずと受け取られても抗弁できない。
目上の相手に対して「あらかじめ知っておいてほしい」という趣旨を伝える際には、必ず以下の適切な代替表現へとスライドさせなければならない。
- 「お含みおきください」:事情を汲み取って心に留めてほしいというニュアンスを含み、上司や社外相手に最も推奨される標準形。
- 「お見知りおきください」:自己紹介や自社の新任担当者を記憶に留めてほしい場面で使用する格式高い表現。
- 「ご容赦ください」「ご理解のほどお願い申し上げます」:相手に不都合や制限を強いる場合に最も適した丁寧な要請表現。