緑茶で認知症予防は本当?カテキンの脳保護効果と1日の適量を解明

緑茶で認知症予防は本当?カテキンの脳保護効果と1日の適量を解明とは一体何なのか? 背景や要点を丁寧に紐解いて紹介します。

ネット上の一部コミュニティでは「緑茶の認知症予防は嘘」「緑茶をガブ飲みしていた親が認知症になったから効果などない」という極端な言説が散見されます。なぜこのような認識の乖離が生まれるのでしょうか。そこには見過ごされがちな3つの構造的盲点が存在します。

第1の盲点は、「予防」と「治療」の混同です。緑茶カテキンやテアニンが発揮する効果は、神経細胞の変性リスクを低減させ、発症を遅らせる「一次予防」です。すでにアミロイドβの蓄積が臨界点を超え、広範囲な神経脱落が生じてしまった中等度以上のアルツハイマー病を、緑茶だけで回復・治癒させることは現代医学において不可能です。これを治療薬と同列に捉えて過度な期待を抱くことが、「効果は嘘だった」という失望へ転化しています。

第2の盲点は、ペットボトル緑茶の成分実態です。手軽さからペットボトル緑茶を水代わりに飲んでいる家庭は多いものの、一般的なペットボトル飲料は長時間の保存と沈殿防止のため、カテキン濃度が急須抽出の煎茶に比べて大幅に薄いものが大半です。一部の「トクホ(特定保健用食品)」指定の高濃度カテキン茶を除き、日常的に市販ペットボトルを飲んでいても、疫学論文で示された有効摂取量に届いていないケースが多々あります。

第3の盲点は、緑茶のカフェインが高齢者に与える影響です。カフェインの代謝能が低下している高齢者が夕方以降に緑茶を過剰に飲むと、夜間頻尿による中途覚醒や睡眠の質の著しい低下を招きます。近年の睡眠医学では、ノンレム睡眠中に脳内のグリンパティックシステム(老廃物排出機構)が働き、アミロイドβが排出されることが判明しています。つまり、認知症を防ぐために夜遅くまで緑茶を飲み続けた結果、睡眠が破壊されてアミロイドβの排出が滞るという本末転倒な事態に陥るリスクがあるのです。

阿部 裕樹

阿部 裕樹

エンタメ専門ジャーナリスト

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

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