岡崎の旧本多忠次邸はなぜ移築?東京の豪邸が愛知に佇む理由と見どころ
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旧本多忠次邸の大きな魅力は、昭和初期に流行した西洋建築の多彩なエッセンスを絶妙に融合させた建築様式にあります。外観は赤褐色のスパニッシュ瓦と温かみのあるスクラッチタイルで彩られ、妻壁には木骨を露出させたチューダー様式(ハーフティンバー)が採用されています。
内部へ足を踏み入れると、単なる展示施設ではなく「住まうための芸術」として設計された空間が広がります。特に来訪者を圧倒するのが、館内の随所に配置されたステンドグラスの数々です。
玄関ポーチや階段の踊り場、書斎の窓にあしらわれたステンドグラスは、幾何学模様や草花をモチーフにしたアール・デコ調のデザイン。午前の柔らかい自然光が差し込む時間帯には、床や壁面に鮮やかな色彩が投影され、息をのむような情景を描き出します。
さらに注目すべきは、各部屋の用途に合わせてデザインされた特注家具と照明器具です。応接室の重厚なマホガニー調の椅子、日光をたっぷりと取り込むアーチ窓が印象的なサンルーム、そして洋館の奥に違和感なく配置された本格的な和室(日光室付き)など、当時の華族階級の暮らしの美意識がそのまま真空パックされたような空間体験を味わえます。