「龍と竜」の違いの真相|旧字体・名付けの掟と西洋ドラゴンの秘密
「龍と竜」の違いの真相|旧字体・名付けの掟と西洋ドラゴンの秘密に関する最新の話題を丁寧に解説いたします。
漢字の成り立ちと由来の真相を紐解くと、両者のルーツは古代中国の殷(商)王朝時代、約3300年前の甲骨文字にまで遡ります。「龍」という漢字は、頭部に大きな冠角を持ち、鋭い牙を備えた大口を開け、長い蛇状の胴体をくねらせる神獣の姿をそのまま象った象形文字です。偏(へん)の「立」と「月(肉)」が頭部と胴体を現し、旁(つくり)の屈曲した線が尾のうねりと鱗を象徴しています。
一般的に「竜は戦後に生まれた略字」と誤解されがちですが、文字学的には事実と異なります。古代中国の甲骨文字や金文、漢代の木簡においても、すでに胴体を簡略化した「竜」に近い字形が存在していました。中国の歴代書道家たちも、早く書くための草書や俗字として「竜」を愛用してきた歴史があります。つまり、「竜」という文字自体は数千年前から民間で使われていた生粋の古代文字なのです。
この2文字の関係が法的に決定づけられたのは、昭和21年(1946年)のことでした。国語審議会が答申した「当用漢字表」において、国民の識字率向上と印刷・教育の効率化を目的に、より筆画が少ない「竜」が現代の標準字(新字体)として採択されました。その結果、本来の正字であった「龍」は表外漢字、いわゆる「旧字体」へと分類されることになった経緯があります。
そのため、「龍と竜どちらが正しいかの真相」を問われれば、言語学・法典上はどちらも完全に正しい漢字と答えるのが正確です。文部科学省の常用漢字表に準拠する公文書や現代の報道では「竜」が基本ルールですが、伝統的な正字としての「龍」が否定されたわけではありません。