心臓の位置は左胸ではない?胸のほぼ中央にある理由と痛みの正体

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心臓が胸のほぼ中央にあるという解剖学的確証は、救命救急のガイドラインを見れば一目瞭然だ。突然の心停止に倒れた人を目撃した際、一般市民が行うべき一次救命処置において、胸骨圧迫の正しい位置は「胸の左右の真ん中にある胸骨の下半分」と明確に規定されている。

もし心臓が世間のイメージ通り左胸にあるならば、左胸を圧迫しなければ血流は生まれないはずだ。しかし、左胸の肋骨の上から無理な力を加えると、肋骨骨折や肺損傷のリスクを徒に高めるばかりで、心臓を効率よく挟み潰すことはできない。胸の真ん中にある頑丈な胸骨の上から垂直に体重をかけることで、胸骨と背骨(胸椎)の間にある心臓がしっかりと圧迫され、脳や冠動脈へと血液が拍出される仕組みになっている。

また、駅や公共施設に設置されている自動体外式除細動器(AED)の取り扱いにも、人体の構造が忠実に反映されている。AED電極パッドの貼付位置は「右鎖骨の下」と「左脇腹の数センチ前(乳頭の斜め下)」の2カ所だ。これは、心臓の真上に2枚を並べて貼るのではなく、胸の中央やや左寄りに位置する心臓を対角線上に挟み込む配置を取っている。不整脈で小刻みに震える心臓の筋肉全体へ、最短かつ最も効果的な電気ショックを貫通させるための幾何学的な設計なのだ。

山本 拓海

山本 拓海

ヘルス&ウェルネスアドバイザー

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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