ジェッソとは?劇的下地効果の実態と絵の具の違い・100均代用をプロが検証

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画材ビギナーが最も陥りやすい誤解が、「手元にあるチタニウムホワイトのアクリル絵の具で下塗りをすれば代用できるのではないか」という思い込みです。しかし、塗料工学の観点から両者の成分組成を見ると、全く異なる設計思想で作られていることが分かります。

通常のアクリル絵の具(白色)は、滑らかな光沢感や均一な塗膜の伸び、耐水性を追求しているため、アクリルエマルジョンの比率が高く、乾燥するとプラスチックフィルムのようにツルツルとした不浸透性の表面になります。ここに別の絵の具を重ね塗りしても摩擦抵抗が足りず、絵の具が上滑りしたり、マスキングテープを剥がす際に下の層ごとベリベリと剥がれてしまう事故が頻発します。

対してジェッソは、多孔質な炭酸カルシウム(体質顔料)の比率が極めて高く調合されています。そのため乾燥後の表面はわずかに刷毛目を残したマット(艶消し)状となり、上塗り塗料をガッチリと掴んで離しません。

下地材・画材種別主成分と物理特性適した用途・乾燥膜厚編集部の見解・取り扱い評価標準ジェッソ(白)アクリル樹脂+高濃度炭酸カルシウム+チタン白。低粘度〜中粘度。キャンバス、木板、紙。厚塗りせず薄塗りを2〜3回重ねる(平滑面)。下地塗りの王道。絵の具の発色・定着力を均一化させる必須アイテム。白色アクリル絵の具アクリル樹脂+チタン白(体質顔料は微量)。乾燥後は平滑・光沢。描画そのものの表現。ハイライトや混色用途。下地利用は非推奨。上塗りの密着性が低下し、剥離リスクを招く。モデリングペーストアクリル樹脂+大理石粉末(重質炭酸カルシウム)。高粘度ペースト。立体的なマチエール(凹凸・盛り上げ表現)。ナイフで肉厚に成形。土台成形の専用剤。下地全体の均一化ではなく、テクスチャ構築用。100均ジェッソ(白)合成樹脂+顔料+水。粒子が粗めでやや粘度が緩い傾向あり。小規模な木工クラフト、試作用イラスト、リメイク鉢。コスパ◎の入門材。隠蔽力は画材大手に劣るため重ね塗り回数で補随。

また、立体的なテクスチャ表現でよく比較される「モデリングペースト」との混同にも注意が必要です。ジェッソは支持体をフラットに整えるための液体ですが、モデリングペーストは大理石の微粉末を高密度に練り込んだパテ状のメディウムです。ナイフで数センチの隆起を作るような物理造形にはモデリングペーストを用い、その乾燥後に全体の吸込みを均一化するためジェッソを薄くオーバーコートするという併用がプロフェッショナルの定石です。

田中 結衣

田中 結衣

デジタルマーケティングコンサルタント

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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