10年前のガムは食べられる?賞味期限表示がない理由と劣化リスク検証

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日本のスーパーやコンビニエンスストアに並ぶ加工食品には、原則として賞味期限または消費期限の記載が義務付けられている。しかし、ガムのパッケージには製造日すら印字されていないケースがほとんどだ。この現象の背景には、日本の食品表示基準(食品表示法第4条に基づく内閣府令)に定められた明確な法的根拠が存在する。

食品表示基準第3条第3項において、「品質の劣化が極めて少ないもの」として賞味期限の表示を省略できる品目が指定されている。具体的には、食塩、砂糖、うま味調味料、酒類、氷、そしてチューインガムである。日本チューインガム協会およびロッテをはじめとする主要メーカー各社は、公式見解として次のように説明している。

「ガムは水分含有量が極めて少なく、常温で長期間保管された場合でも品質の変質が極めて起きにくい食品です。そのため、法的に賞味期限を表示する義務がなく、日付の記載を省略しています」

微生物や細菌が繁殖して食品を腐敗させるためには、一定以上の「水分活性(食品中の自由水の割合)」が不可欠となる。一般的な生鮮食品や水分を多く含む菓子は、細菌が増殖しやすい水分活性0.80以上を示すのに対し、チューインガムの水分量はわずか1.0〜2.0%程度に抑えられている。細菌や酵母菌が利用できる水分が物理的に存在しないため、常温下で放置されても生化学的な「腐る」という現象が起き得ないのだ。

中川 明日香

中川 明日香

ビジネス戦略アナリスト

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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