なぜ「さ行」の早口言葉で噛むのか?プロが教える滑舌克服の極意

なぜ「さ行」の早口言葉で噛むのか?プロが教える滑舌克服の極意の具体的な内容に迫る! 専門的な視点で紐解きます。

日本語の発音において、「さ行」は「摩擦音(まさつおん)」と呼ばれるグループに分類されます。これは舌先を上の前歯の裏側(歯茎部)に極限まで近づけ、そのわずかな隙間に強い呼気を通すことで「スッ」という摩擦音を生み出す発音構造を持っています。

多くの人がさ行が言えない理由は、主に以下の3点に集約されます。

第1に、「舌の位置と発音のコツ」を身体が正しく把握できていない点です。舌先が前歯に触れてしまうと「破裂音(た行に近い音)」になり、隙間が広すぎると息が抜けて不明瞭な音になります。わずか1ミリ以下の微細な空間をキープし続ける筋力が不足していると、連続する単語の中で舌が追いつかなくなります。

第2に、母音による舌の形状変化の激しさです。「さ・す・せ・そ」が無声歯茎摩擦音[s]であるのに対し、「し」だけは口蓋化が起きる無声歯茎硬口蓋摩擦音[ɕ]へと変化します。「し」を発音する際は舌の中央部が硬口蓋に向かって持ち上がるため、「新春(しんしゅん)」「シャンソン」のように「S音」と「SH音」が交互に連続すると、舌が激しく上下運動を強いられてフリーズしてしまいます。

第3に、息が舌の左右から漏れてしまう「側音化構音(そくおんかこうおん)」です。本来は舌の中央の溝を通るべき呼気が横から抜けてしまい、「ジュ」「シィ」といったペチャッとした音になってしまう現象で、成人でも無自覚のまま悩んでいるケースが多々見られます。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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