巨額赤字と敗北の舞台裏 超大型機A380失速が変えた空の覇権
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時を1990年代に遡ると、物語の景色はまったく異なる。当時、同社はA3XXプロジェクト (Project A3XX)というコードネームのもと、ジャンボ機の代名詞であった米国のボーイング (The Boeing Company)のB747による市場独占を打ち破るべく、総2階建て機の開発に乗り出した。
両社の間では、将来の空の移動に関する予測が真っ向から対立していた。エアバスは「ハブ・アンド・スポーク」モデルを強く信じていた。世界の大都市圏ハブ空港間を超大型機で結び、そこから小型機で地方都市へ乗客を分散させるという思想だ。対するボーイングは、中型双発機で都市間を直接結ぶ「ポイント・トゥ・ポイント」の時代が来ると見抜いていた。結果として歴史が証明したのは、ボーイング787に代表される高効率な双発中型機の圧倒的な勝利だった。A3XXから始まった野望は、市場のパラダイムシフトによって打ち砕かれたのだ。