韓国を揺るがすトロットとは?日本の演歌との違いや爆発的ブームの深層
韓国を揺るがすトロットとは?日本の演歌との違いや爆発的ブームの深層とは一体何なのか? 主要なファクトを整理してお届けします。
トロット(트로트)という名称の語源は、20世紀初頭に欧米の社交ダンスで大流行した「フォックストロット(Foxtrot)」にあります。4分の4拍子のうち2拍・4拍にアクセントを置く軽快な歩行調リズムが、日本統治時代の朝鮮半島へ流入し、当時の日本の流行歌(古賀政男メロディに代表される初期の演歌・歌謡曲)や西洋ポピュラー音楽と融合したことが直接の起源とされています。
解放後の韓国では、一時「倭色(日本風の色彩)歌謡」として排斥運動の対象となった複雑な歴史を持ちます。しかし、民衆の哀愁や生活の息吹を色濃く反映したメロディは庶民の心を捉えて離さず、独自の歌唱技巧(クッキと呼ばれる独特の小節・装飾音)を発達させながら「韓国演歌」としてのアイデンティティを確立していきました。
1970年代から80年代にかけては、高速道路のサービスエリアで流通したカセットテープを通じて「ポンチャック」(2拍子のリズムを表現した擬音)とも呼ばれ、庶民に愛される一方、どこか泥臭く哀愁を帯びた「シニア専用の音楽」というステレオタイプが定着していました。その歴史的枠組みを根底から覆したのが、2019年以降に巻き起こった一連のサバイバル番組による革命的刷新です。