住民税に年1000円上乗せ!森林環境税とは?使い道の真相を追う
住民税に年1000円上乗せ!森林環境税とは?使い道の真相を追うの背景について、専門知識を詳しくお届けします。
この制度最大の構造的欠陥としてジャーナリズムが追及し続けているのが、森林環境税自治体配分問題と、それに伴う森林環境税使い道の真相です。本来、崩落の危険がある急傾斜地の手入れや間伐材の搬出路整備など、広大な人工林を抱える過疎地域にこそ潤沢な予算が投入されるべきであることは論を俟ちません。
ところが、総務省と林野庁が定めた配分算定式に「人口割合」が組み込まれていたため、森林面積がほぼゼロに等しい東京都の特別区や政令指定都市に毎年億単位の税金が自動配分される事態に陥りました。取材に応じたある都市部自治体の財政担当者は、当時の苦衷を次のように明かしています。
「国から降ってきた譲与税の使い道に頭を抱えました。林業振興をしようにも区内に人工林などありません。結局、区立学校の教室ドアを国産木材に取り替えたり、駅前広場に高額な木製ベンチを設置したり、親子向けの『木育イベント』を開催して予算を消化するのが精一杯でした。それでも全額は使い切れず、毎年度の大半を基金に積み立てて眠らせています」
一方、間伐急務の森林を抱える山間部の自治体では、深刻な林業従事者の高齢化と人手不足、さらには世代交代による森林境界の未確定問題が壁となり、配分された資金を現場へ投下し切れないジレンマに直面しています。税金を集める側と使う側のミスマッチが放置され、結果として「都市部では無理やりな予算消化、山間部では消化不良」という二重の停滞を招いているのが現場の偽らざる実態です。