絵の具で作れないって本当?プロ直伝の赤色の作り方と混色の裏技
絵の具で作れないって本当?プロ直伝の赤色の作り方と混色の裏技について知っておくべき ポイントを厳選して解説いたします。
なぜ絵の具で真の赤を調合するのが難しいのでしょうか。その秘密は、色彩学の根底にある2つの混色原理に隠されています。光を重ねるほど白く明るくなる「加法混色」と、絵の具やインクを重ねるほど黒く暗くなる「減法混色」の違いです。
歴史を振り返れば、物理学者のアイザック・ニュートンがプリズム実験によって太陽光を無数のスペクトルに分解し、光の波長としての色を体系化しました。これに対し、詩人であり自然研究家でもあったヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテは、人間が肉眼で受け取る主観的・生理的な色の体験を重んじ、ニュートンの無機質な光学理論に対抗する論陣を張ったことで知られます。現代の色彩学では、モニターなどの発光体で赤・緑・青を組み合わせる「光の三原色(RGB)」が加法混色として機能しており、ここでは赤は最初から単一の光として存在します。一方で、シアン・マゼンタ・イエローを用いる減法混色においては、絵の具の原色であるマゼンタにイエローをごく微量加えることで、初めて鮮烈な「朱赤」を作り出すことができます。