聖母マリアの夫・聖ヨセフとは何者?処女懐妊に苦悩した生涯の真相を徹底解説
聖母マリアの夫・聖ヨセフとは何者?処女懐妊に苦悩した生涯の真相を徹底解説について見逃せない ポイントを分かりやすい構成で解説いたします。
ヨセフが発揮した危機管理能力の高さは、新約聖書に記された数々の家族防衛エピソードから見て取ることができます。
ベツレヘムでイエスが誕生した後、自らの王座を脅かす赤子の存在を恐れたヘロデ大王は、その一帯の2歳以下の男児を皆殺しにするよう命じました(幼児虐殺)。夢の中で危険を察知したヨセフは、夜が明けるのを待たずして夜陰に紛れ、産後間もないマリアと幼子イエスを連れてエジプトへの国境越え逃亡を決行します。
ベツレヘムからエジプトの国境までは、険しい砂漠や盗賊の横行する荒野を抜ける100キロメートル以上の過酷なルートです。土地勘のない異国の地で言葉の壁にぶつかりながらも、職人としての腕を頼りに家族の糧を稼ぎ、ヘロデ大王の死が知らされるまで家族全員を無傷で守り抜きました。有事におけるこの迅速な決断力と行動力は、並大抵の胆力で成し遂げられるものではありません。
また、イエスが12歳になった年のエルサレム神殿での出来事も象徴的です。過越祭の帰り道、一行の中に息子がいないことに気づいた両親は、3日間にわたって必死に捜索し、学者たちと議論していたイエスを発見します。このとき母マリアは「なぜこんなことをしたのです。御覧なさい、お父様もわたしも心配して捜していたのです」(ルカ2:48)と口にしています。血のつながりこそなくとも、イエスの成育環境においてヨセフが紛れもない「父親」として深く敬愛されていたことが、このマリアの何気ない一言に凝縮されています。