「芸術は破壊だ」元ネタは誰の言葉?ピカソと岡本太郎の真相を追う
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「芸術は破壊だ」という言葉の出どころを追うと、複数の偉大な人物と思想が網の目のように交差しています。まず最も有力な原典とされるのが、20世紀を代表する画家パブロ・ピカソが遺したとされる警句です。
ピカソは生前、次のような言葉を遺しています。
「あらゆる創造活動は、まず何よりも破壊の行為である(Every act of creation is first an act of destruction)」
何世紀にもわたって西洋絵画を支配していた透視図法や写実的な美のルールを粉々に打ち砕き、「キュビズム」という革命を起こしたピカソにとって、新しい美を生み出す前提には必ず「既存の秩序の徹底的な破壊」が存在していました。この思想が後世に伝わる過程で、「創造は破壊から始まる」あるいは短縮された「芸術は破壊だ」というインパクト重視の標語へと変換された背景があります。
しかし、話はこれだけにとどまりません。さらに歴史の針を巻き戻すと、このピカソの言葉自体が、19世紀ロシアの無政府主義(アナーキズム)思想家ミハイル・バクーニンが1842年に論文『ドイツにおける反動』で記した有名な一節に酷似していることが分かります。
「破壊への情熱は、同時に創造的な情熱でもある(The passion for destruction is a creative passion, too)」
政治哲学としての反体制的なテーゼがピカソの美学と共鳴し、20世紀のアートシーンへ、そして現代のデジタル空間へと形を変えて浸透していったのです。