田村正和さんを支え抜いた妻の素顔と献身、語り継がれる夫婦の絆
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1980年代から90年代にかけて、正和さんは日本のテレビドラマ界で前人未到の黄金期を築く。『パパはニュースキャスター』で見せた軽妙洒脱なコメディセンス、『ニューヨーク恋物語』で漂わせた大人の哀愁、そしてフジテレビが生んだ金字塔『古畑任三郎』である。
特に『古畑任三郎』は、従来の刑事ドラマの枠組みを根底から覆し、洗練されたサスペンス・ミステリーとして社会現象を巻き起こした。黒ずくめのスーツを纏い、独特の語り口で犯人を追い詰めるあの名キャラクターは、徹底した台本読み込みと自己節制の賜物だった。撮影期間中、自宅でのセリフ覚えに没頭する夫の邪魔を一切せず、好みの食事と静寂を用意して完璧な集中環境を作り出したのが和枝夫人だった。スタッフの間でも「奥様のサポートがあるからこそ、田村さんは現場で一切NGを出さない」と畏敬の念を持って語られていた。