オスとメスの記号の由来とは?古代神話からUnicodeまで解説
オスとメスの記号の由来とは?古代神話からUnicodeまで解説について押さえておきたい 注意点を厳選して解説いたします。
歴史の針を古代地中海世界へと巻き戻してみよう。「♂」と「♀」の二つのマークは、もともと生物の性別を表すために作られたものではなかった。始まりは古代の天文学と神話の融合にある。
古代の天体観測者たちは、夜空に輝く惑星に神々の名前を冠した。赤く妖しく輝く火星には、ギリシャ神話の軍神アレス(ローマ神話のマルス)の名が与えられた。彼らが描いた火星の天体記号は、アレスが手に執る「盾と槍」を模したデザインだったとされる。これが現代の「♂」の原型だ。金属としては「鉄」を意味し、力強さと攻撃性の象徴であった。
一方で、美しく明るく輝く金星には、愛と美の女神アフロディーテ(ローマ神話のウェヌス)の名が授けられた。彼女の記号として描かれたのは、当時の女性たちが手にしていた青銅の手鏡、あるいは装身具を思わせる形状だ。これが「♀」のルーツであり、金属としては「銅」に対応せしめられていた。古代の天文学と記号学の世界において、これらの図形は星々と物質を接続する不可欠なメタファーだったのだ。