自由が丘浸水の真相とは?駅前冠水とすり鉢地形に潜む水害リスク

自由が丘浸水の真相とは?駅前冠水とすり鉢地形に潜む水害リスクとは一体何なのか? 主要なファクトを整理してお届けします。

こうした深刻な内水氾濫に対し、行政側も手をこまねいているわけではありません。東京都下水道局および目黒区では、頻発する都市型豪雨に立ち向かうため、大規模な自由が丘浸水対策工事を継続的に進めています。

主要な対策の柱となっているのが、幹線雨水管の増設と雨水貯留施設の整備です。九品仏川幹線をはじめとする地下インフラの流下能力を向上させるため、高台からの雨水がいきなり低地に流れ込まないよう一時的に地下へ貯留するシールドトンネル工事や、雨水桝(ます)の吸水能力向上工事が段階的に実施されています。また、自由が丘駅前で進む市街地再開発事業においても、新設ビルの地下に大規模な雨水調整池を設置し、ピーク時の雨水を敷地内に一時留め置く設計が導入され始めています。

しかしながら、都市工学の専門家はインフラ整備の限界についてこう指摘します。
「地下に下水道管を張り巡らせる工事は、既存の地下埋設物(ガス・水道・通信ケーブル)が密集する都心部では工期も費用も膨大にかかります。1時間75ミリ対応の整備を進めても、気候変動によって100ミリ超の豪雨が日常化しつつある現在、ハードウェアの対策だけで被害を100%防ぐことは不可能です」

行政の治水インフラ向上に期待を寄せつつも、住民や店舗側が「雨水は必ずあふれる」という前提で自己防衛策を講じることが不可欠なフェーズに入っています。

山下 哲也

山下 哲也

自動車・モビリティライター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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