球速80キロの魔球!シェイク小宮山はなぜ打てない?握りと誕生秘話を徹底解説
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無回転で揺れ動く変化球といえば、アメリカを発祥とする「ナックルボール」が知られている。だが、小宮山のシェイクはナックルとは明確に一線を画していた。その差異こそが、百戦錬磨のプロ打者を立ち尽くさせた最大の要因である。
第一の違いは「球速帯」にある。メジャーリーグでナックルボーラーとして鳴らした名投手たちの球速は概ね100km/hから115km/h程度だが、小宮山のシェイクは80km/hに過ぎない。この圧倒的な遅さは、140km/h台の直球を待つ打者の脳内処理速度に決定的なエラーを引き起こす。打者はスイングの始動を極限まで遅らせなければならないが、人間の動体視力と筋出力の制御において、80km/hのボールをタイミングよく捉えることは物理的に極めて困難を極める。
第二の違いは「千葉マリンスタジアム(現ZOZOマリンスタジアム)の局所的気候」である。東京湾からの海風が吹き荒れ、風速10m/sを超えることも珍しくないこの球場において、無回転の80km/hという軽量な空気抵抗弾は、突風の影響をダイレクトに受ける。風速と風向のわずかな乱れがボールのカルマン渦と複雑に干渉し、投手自身ですら着弾点を予測できない凶悪な変化をもたらした。
打席に立った打者たちは、手元で急激に視界から消えるような感覚に襲われ、ハーフスイングすらできずに呆然と見逃し三振に倒れるシーンが幾度も中継映像に記録されている。