肝機能障害の薬で数値は下がる?処方薬と市販薬の違いと副作用の真相
肝機能障害の薬で数値は下がる?処方薬と市販薬の違いと副作用の真相の基礎知識と応用に迫る! わかりやすい言葉でまとめました。
現在、日本の臨床現場で慢性肝炎や肝機能障害の数値改善を目的に保険適用されている処方薬は、主に「肝庇護薬(かんひごやく)」と呼ばれるカテゴリーに分類されます。これらは原因そのものを根絶する根治療法ではなくても、肝細胞の破壊を遅らせ、肝硬変や肝がんへの進行を食い止める防波堤として長年重用されてきました。
現場で最も頻繁に処方される代表格が、天然の胆汁酸成分をもとに作られた「ウルソデオキシコール酸(商品名:ウルソ)」です。体内にもともと存在する疎水性の強い毒性胆汁酸を、細胞毒性の低い親水性のウルソデオキシコール酸へと置き換えることで、肝細胞膜や胆管上皮細胞を保護します。胆汁の流れをスムーズにする「利胆作用」を併せ持ち、特にアルコール性肝障害や胆汁うっ滞を伴う疾患において、γ-GTPやALP、ALTの有意な低下をもたらすことが数々の臨床試験で確認されています。
さらに、急性・慢性の肝炎で激しい肝細胞破壊(ALT・ASTの急上昇)が見られる局面で頼りにされるのが、生薬の甘草(カンゾウ)から抽出されるグリチルリチン酸を主成分とした製剤です。点滴静注薬である「強力ネオミノファーゲンシー」は、救急医療や消化器内科の急性期治療において目覚ましい抗炎症作用を発揮し、暴走する免疫反応を抑えて肝細胞の壊死を阻止します。その内服版として開発された「グリチロン配合錠」(薬価:1錠あたり約5.7円)や「ネオファーゲンC配合錠」などは、経済的な負担を抑えながら外来治療で長期間にわたり肝酵素の上昇を抑え込む定番薬として定着しています。
また、病態が進行して肝硬変へ移行しつつある患者に対しては、血中アルブミン値を維持し腹水や浮腫を防ぐ「分岐鎖アミノ酸(BCAA:リーバクトなど)」が選択されます。東洋医学の分野でも、肝機能改善を目的とした漢方薬の評判は高く、体質や症状に応じて「柴苓湯(さいれいとう)」や「茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)」などが処方され、西洋医学的な肝庇護薬と併用されるケースが少なくありません。