処分と廃棄の違いとは?売却も含む定義の差とビジネス・会計の落とし穴
処分と廃棄の違いとは?売却も含む定義の差とビジネス・会計の落とし穴について徹底解説いたします。最新の情報をチェックしてください。
用語の曖昧さは、企業の現場でどのような実害を生んでいるのでしょうか。知恵袋や法務関係者のコミュニティ、SNS上には、指示の行き違いによる生々しいトラブルが数多く投稿されています。
「上司から『旧型の社用PCを倉庫から処分して』と指示された総務部員が、まだ起動することを確認し、リサイクルショップに売却して数万円を雑収入に入金したところ、上司から激怒された」という事例があります。上司の意図は「社内データ漏洩を防ぐため、物理破砕して完全に廃棄する」ことだったにもかかわらず、「処分」という包括的な指示を出したために、ハードディスクのデータが残ったまま市場に流出しそうになる危機を招いたのです。
逆に、「高年式のオフィス什器を処分するよう指示された後輩が、有償査定を呼ぶことなく産廃業者にお金を払って廃棄してしまい、数十万円の損失を出した」という失敗談も散見されます。ある大手メーカーの管理部門マネジメント担当者は、取材に対してこう打ち明けます。
「現場の口頭指示で最も危険なのが『適当に処分しといて』というフレーズです。換金価値のある資産を捨てるコストを払い、機密情報が含まれる記録媒体を安易にリサイクル業者へ流してしまう。言葉の定義を社員全員が共通認識として持っていなければ、社内ガバナンスはいとも簡単に崩壊します」
指示を出す側は「廃棄(捨てること)」のつもりで「処分」と言い、受ける側は「処分(有効活用を含む)」と解釈して行動する――この認識の齟齬こそが、現場のオペレーションリスクの温床となっています。