知能が高いのになぜ苦しい?高機能自閉症の真実と大人が抱える生きづらさ
知能が高いのになぜ苦しい?高機能自閉症の真実と大人が抱える生きづらさについて知っておくべき 事実を分かりやすい構成で解説いたします。
インターネット上の議論や当事者コミュニティで長年疑問視されているのが、高機能自閉症とアスペルガー症候群の違いです。どちらも「知的発達の遅れを伴わない自閉傾向」を指す言葉として浸透していますが、医学史における両者の決定的な差異は幼児期の言語発達の遅れがあったかどうかにあります。
一般的に、幼少期に言葉の遅れがなく、文法的に整った言葉を早くから流暢に話していたタイプを「アスペルガー症候群」と呼んできました。一方、幼少期に単語の発声やコミュニケーションの遅れが明確に見られたものの、成長に伴って言語能力が追いつき、知能指数(IQ)が正常域に達したケースが「高機能自閉症」と分類されてきた歴史があります。
ただし、米国精神医学会のDSM-5診断基準以降、世界的な医療現場ではこれらの区分を一本化し、連続体として捉える「自閉スペクトラム症(ASD)」の診断名が主流となりました。境界線を厳密に切り分けることよりも、「対人相互反応の障害」と「常同的・反復的なこだわり」という根幹の特性をグラデーションとして捉え、個別の困難さに合わせた支援を行う視点が定着しています。