衆議院と参議院の違いを徹底比較!なぜ権限に大差?二院制の深層
衆議院と参議院の違いを徹底比較!なぜ権限に大差?二院制の深層の真相や最新動向に迫る! わかりやすい言葉で紐解きます。
制度を学ぶ過程で最も多くの人が陥る誤解が、「衆議院の優越があるのだから、与党が衆議院の過半数さえ握っていれば参議院で否決されても法律を通せる」という思い込みです。
これは制度論上の決定的な盲点です。前述の通り、衆議院で再可決するためには「過半数」ではなく、「出席議員の3分の2以上の賛成」という極めて高いハードルが課されています。465議席の衆議院において、3分の2とは実に310議席以上です。通常の政権運営で単独、あるいは連立与党だけで3分の2を維持できる局面は歴史的にも稀です。
ここで生じるのが、ねじれ国会が起きる原因と影響です。衆議院で与党が過半数を持ち、参議院で野党が過半数を占める「ねじれ」状態が発生すると、予算や条約以外の一般法律案は、参議院で否決された瞬間にほぼ廃案へと追い込まれます。国の運営に必要な法案の9割以上は一般法律案です。たとえ予算案そのものが衆議院の優越で自然成立したとしても、予算を執行するための裏付けとなる「特例公債法案」や「税制改正関連法案」が参議院で否決・塩漬けにされれば、政府は資金調達ができず機能不全に陥ります。
近年の政局においても、少数与党体制や参院での勢力拮抗によって、野党の合意を取り付けなければ指一本動かせない膠着状態が頻発しています。「参議院は無力」どころか、政治の現実において参議院は政権を窮地に追い込む最強の急所となり得るのです。