無性に氷を食べたくなる原因とは?氷食症と鉄分不足の危険なサイン

無性に氷を食べたくなる原因とは?氷食症と鉄分不足の危険なサインについての真相をご紹介します。

インターネット上の健康情報やSNSにおいて、最も多く見受けられる危険な誤解が「職場の健康診断で貧血と言われなかったから、私の氷食はただの癖」という自己判断です。

一般的な定期健診で行われる末梢血液一般検査で測定されるのは、主に「赤血球数」と「血色素量(ヘモグロビン)」に過ぎません。人体における鉄分の配置は、よく「財布の現金」と「銀行の貯金」に例えられます。ヘモグロビンは日々の支払いに使う「財布の中の小銭」であり、肝臓や脾臓に蓄えられているフェリチンは「銀行の定期預金」です。

体が鉄不足に陥った際、生体は銀行の預金(フェリチン)を限界まで切り崩して、財布(ヘモグロビン)の現金を必死に維持しようとします。そのため、貯蔵鉄がゼロ近くまで干からびているにもかかわらず、ヘモグロビン値は基準値内に踏みとどまるという現象が日常的に起こります。これこそが、臨床現場で「潜在性鉄欠乏症(かくれ貧血)」と呼ばれる病理です。

視床下部や中枢神経は、このフェリチンの枯渇に極めて敏感に反応します。血液検査の紙で「A判定(異常なし)」と印刷されていても、血清フェリチンが10 ng/mL未満に落ち込んでいれば、激しい氷食症や耐えがたい疲労感が出現します。ネットの簡易情報を鵜呑みにして「病気ではない」と決めつけるのは、極めて危険な思い込みと言わざるを得ません。

高橋 健太

高橋 健太

ライフスタイル編集者

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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