髪をすく漢字の正解は?梳く・透く・漉くの違いと毛量を減らす表記

髪をすく漢字の正解は?梳く・透く・漉くの違いと毛量を減らす表記についての最新情報をご紹介します。

日常会話で親しまれているすきバサミ漢字についても、ネット上では諸説入り乱れています。金物製造メーカーや理美容機器の老舗カタログを調査すると、「透き鋏」と「梳き鋏」の双方が商品名として登録されているのが現状です。

刃の形状が「櫛(くし)」のようになっている点に着目した職人は「梳き鋏」と名付け、刃を入れることで毛髪の間に「隙間(透き間)」を生み出す機能に着目したメーカーは「透き鋏」の字を当てました。つまり、道具の名称としてはどちらも間違いとは言い切れません。

一方、プロの現場ではこれらの和名よりも「セニング」という用語が圧倒的に定着しています。セニングシザー由来は、英語の形容詞「thin(薄い、細い、まばらな)」を動詞化した「thinning(薄くすること、減らすこと)」にあります。1960年代以降、西洋のヴィダルサスーンをはじめとする幾何学的カット技法が日本に導入された際、日本人の太く硬い直毛を欧米人のような柔らかい質感に近づけるための専用ハサミとして「thinning scissors(セニングシザー)」が急速に普及しました。

このセニングシザーは、1回の開閉で切れる毛量の割合を「スキ率(カット率)」と呼び、一般的なサロンスタイルでは15%〜25%のシザーが主に使用されます。安易に「すいてほしい」と頼むと、このカット率のコントロールを美容師の裁量に丸投げすることになり、意図しない失敗を招く原因となります。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest