やさしいライオン結末の真相|やなせたかしが描いた愛と死の原点
やさしいライオン結末の真相|やなせたかしが描いた愛と死の原点に関する専門家の意見を丁寧に解説いたします。
物語が急展開を迎えるのは、ブルブルがサーカスで暮らして数年が経ったある静かな夜のことでした。風に乗って、遠くの街のほうから、かすかに聞き覚えのある懐かしい子守唄の遠吠えが聞こえてきたのです。それは、年老いて死期が近づいたムクムクが、愛するブルブルを呼ぶ命の叫びでした。
母の危機を察知したブルブルは、周囲の静止を振り切って鉄の檻を打ち破り、夜の街へと駆け出します。ただ一目、大好きな母に会いたい。その一心だけで、ブルブルは数百キロ離れた故郷を目指して一心不乱に走り続けました。
しかし、人間社会の反応は残酷でした。大柄で獰猛に見える猛獣が街へ解き放たれたと勘違いした人間たちは大パニックに陥り、警察隊や軍隊が出動して銃を手にブルブルを包囲します。ブルブルには人間を傷つける意志など微塵もありませんでしたが、狂暴な猛獣という「外見のレッテル」を貼られたライオンの言葉に耳を傾ける者はいませんでした。
追手から逃れ、満身創痍になりながらも、ブルブルはついに懐かしい丘の上で、今まさに息絶えようとしていたムクムクとの再会を果たします。二頭は互いを強く抱きしめ合い、喜びの涙を流しました。
その至福の瞬間、静寂を破って鳴り響いたのは無情な一斉射撃の銃声でした。銃弾を浴びたブルブルは、ムクムクをその身でかばうようにして倒れ伏します。騒動が収まり、駆け寄った人間たちが目にしたのは、寄り添うようにして息を引き取ったライオンと老犬の亡骸でした。ラストシーンでは、二頭の魂が光り輝く美しい光となって夜空へ昇り、永遠に離れることのない星となって輝き続けます。