ジブリ立体建造物展が今なお愛される理由と図録復刻の全貌

ジブリ立体建造物展が今なお愛される理由と図録復刻の全貌に関する深掘り記事を分かりやすく解説します。関心のある方は必見です。

「ジブリの立体建造物展」が単なるアニメの原画展と一線を画していた最大の要因は、「2次元の虚構空間を、現実の建築工学と民俗学的知見で3次元に立ち上げる」という前代未聞の試みにありました。展示の中心を担ったのは、『千と千尋の神隠し』に登場する湯屋「油屋」の巨大ミニチュア模型(高さ約3メートル)や、『となりのトトロ』の「草壁家(サツキとメイの家)」の精緻な縮尺模型です。

油屋の模型は、木造多層建築の複雑怪奇な梁や柱の組み方、宴会場の畳の質感、屋根瓦の汚れや風化した木肌に至るまで、驚異的な職人技で再現されました。来場者が模型の周囲を歩き、見上げる角度を変えるたびに、映画の中の千尋と同じ視線で建物の匂いや蒸気、ざわめきまで体感できる構造になっていたのです。

また、展覧会終了後も熱狂的な支持を集めているのが「ジブリ立体建造物展 図録」の存在です。全作品の建造物設定画、背景画、宮崎駿監督のイメージボードに加え、専門家による詳細な建築解説が約400ページにわたって収録された本書は、美術書・建築専門書としても極めて高い完成度を誇ります。展覧会の終了に伴い一時は古書市場で定価の数倍におよぶプレミア価格で取引されていましたが、ファンの熱烈な要望に応える形でスタジオジブリ関連ショップや企画展会場での重版・復刻販売が行われ、今なお建築関係者やクリエイター必携のバイブルとして語り継がれています。

鈴木 陽菜

鈴木 陽菜

テックライター兼ウェブディレクター

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest