大人の軽度知的障害に見られる特徴|仕事のミスと発達障害の違い
大人の軽度知的障害に見られる特徴|仕事のミスと発達障害の違いの全体像を詳しく解説してご紹介します。
大人の知的発達をめぐっては、発達障害(ADHDや自閉スペクトラム症/ASD)や「境界知能」との区別がつきにくく、ネット上でも情報が混同されがちです。精神医学においてこれらは明確に異なる概念として整理されています。
知的障害(知的能力障害)の医学的基準は、一般的に知能検査(ウェクスラー成人知能検査:WAIS-IVなど)における全検査IQ(FSIQ)がおおむね69以下であり、かつ日常生活や社会生活に適応するための技能(概念的・社会的・実用的な適応機能)に重大な制限が生じている状態を指します。発達期(おおむね18歳未満)から発症していることが診断の必須要件です。
一方、いわゆる「境界知能」とは、IQ70〜84の範囲を指し、統計学的に人口の約14%が存在すると推計されています。境界知能は医学的な障害名ではなく、知的障害と平均域の狭間に位置するグラデーションゾーンです。そのため、支援の手が届きにくい「制度のエアポケット」に陥りやすいという深刻な社会課題を抱えています。
発達障害(ADHDやASD)は、知能全体の水準ではなく、注意制御の困難さや社会的なコミュニケーションの特異性といった「認知の偏り」が主因です。対して軽度知的障害は、抽象的思考、推論、学習能力、記憶力全般が全般的に緩やかであるという全体性の違いがあります。