東海村臨界事故の作業員に何が起きたのか?医療記録と83日間の真相

東海村臨界事故の作業員に何が起きたのか?医療記録と83日間の真相について見逃せない ポイントを厳選して解説いたします。

東海村JCO臨界事故の直接的な引き金となったのは、高速増殖炉「常陽」で使用される濃縮度18.8%のウラン溶液を精製する作業工程での手順違反でした。本来、国の許可を得た正規のマニュアルでは、ウラン溶液が臨界に達しないよう形状制限が施された「溶解塔」を使用し、厳格な質量管理のもとで作業を行うことが定められていました。

しかし、JCOの現場では工程短縮と効率化を目的に、社内で非公式に作成された「裏マニュアル」が日常化していました。さらに事故当日は、その裏マニュアルすら逸脱し、作業時間のさらなる短縮を図るため、ステンレス製のバケツを用いてウラン溶液を漏斗(じょうご)経由で沈殿槽へ直接流し込むという極めて危険な方法が取られていたのです。

沈殿槽は臨界管理形状(細長い形状など)になっておらず、ウラン溶液が一定量たまれば臨界に達しやすい冷却ジャケット付きの構造でした。作業員たちはウランの臨界質量(約2.4kg)の認識を持たないまま、制限量の約7倍にあたる約16.6kgのウラン溶液を沈殿槽に流し込みました。そして7杯目の溶液を注ぎ入れた午前10時35分、槽内で核分裂連鎖反応(臨界)が発生。激しい中性子線とガンマ線が放射され、至近距離にいた作業員3名を直撃しました。

渡辺 美咲

渡辺 美咲

ガジェット&アプライアンスライター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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