イスラームと禅を架橋した知の巨人・井筒俊彦が遺した思考革命
イスラームと禅を架橋した知の巨人・井筒俊彦が遺した思考革命を詳しくリサーチ! 知っておきたい トピックの裏側を凝縮して配信します。
スイスのアスコーナで開かれていた伝説的な国際知性フォーラム「エラノス会議」。東西の碩学が集うその場所で、井筒は主役のひとりとして圧倒的な存在感を放った。心理学者カール・グスタフ・ユングが創設に関わり、深層心理学や宗教学、神話学の巨匠たちが火花を散らしたこの舞台で、井筒は東洋の形而上学を普遍的な学術言語で語り切ったのである。
禅を世界に広めた鈴木大拙との交流も象徴的だ。鈴木が直観と体験を通じて禅を欧米に伝達したのに対し、井筒は極めて緻密な言語哲学的論理によって東洋の精神構造を解明した。知覚の極限で二人の巨人が交わした対話は、東洋と西洋の二項対立を超えた新たなコスモロジーの誕生を告げるものだった。