黄金浄土から近代製鉄と縄文へ!岩手の世界遺産3拠点を徹底解剖
黄金浄土から近代製鉄と縄文へ!岩手の世界遺産3拠点を徹底解剖の注目ポイントを詳しく解説してご紹介します。
平泉の雅やかな浄土信仰から一転、釜石の険しい山道を分け入った先にあるのが「明治日本の産業革命遺産 橋野鉄鉱山」だ。鬱蒼とした杉林の中に現れる花崗岩造りの三基の高炉跡は、まるで古代ローマの神殿のような厳粛さを漂わせている。
ここを主導したのは「日本近代製鉄の父」と称される盛岡藩士・大島高任である。幕末の1858年、大島高任はオランダの技術書を独学で読み解き、日本で初となる洋式高炉による連続出銑に成功した。外洋船の脅威に晒されていた幕末日本において、鉄の安定自給は国家存亡の生命線だった。重機も電気もない時代、原生林を切り拓き、急峻な地形を利用して水車を回し、木炭と鉄鉱石を運び込んだ名もなき工夫たちの汗と熱気が、苔むした石積みの隙間から今なお伝わってくる。