海賊の歌の歌詞に隠された真実!ビンクスの酒とヨーホー徹底解剖
海賊の歌の歌詞に隠された真実!ビンクスの酒とヨーホー徹底解剖の注目ポイントを詳しく解説してご紹介します。
なぜ海賊の歌には決まって「ヨーホー」や「ヨホホ」という掛け声が登場するのでしょうか。その背景には、18〜19世紀の大航海時代から帆船時代にかけて実在した船乗りたちの「労働歌(Sea Shanty / シー・シャンティ)」の歴史があります。
帆船の運用は極めて過酷な肉体労働でした。数百キロに及ぶ巨大な錨(いかり)を手動のキャプスタン(巻き上げ機)で巻き上げたり、巨大な帆を全員で一斉に引き上げたりする際、呼吸を合わせなければ命に関わる事故につながります。そこで生まれたのが「Heave Ho(ヒーヴ・ホー=力を込めて引け)」や「Yo-Heave-Ho」という掛け声でした。
この船乗りの労働リズムを文学の世界に定着させたのが、ロバート・ルイス・スティーブンソンの冒険小説『宝島』(1883年)です。作中で海賊たちが歌う悪名高いフレーズ「Fifteen men on the dead man's chest—Yo-ho-ho, and a bottle of rum!(死人の箱に15人、ヨーホーホーとラム酒が一瓶!)」は、世界中の人々に「海賊=ヨーホーホー」というイメージを決定づけました。
壊血病や栄養失調、荒波による転落死、そして捕縛されれば絞首刑という絶望的な環境下において、酒と歌は荒くれ者たちが正気を保つための不可欠な心理的防衛機制(集団的レジリエンス)でした。つまり「ヨーホー」という陽気な響きの裏側には、常に死と隣り合わせだった男たちの切実な生存確認の意味が込められていたのです。