プライムコートとは?タックコートとの違いと散布量・養生を徹底解説
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土木工事の現場や設計図書で最も頻繁に混同されるのが、「プライムコート」と「タックコート」の違いである。どちらも黒いアスファルト乳剤をディストリビューター(散布車)で路面に吹き付けるため、見た目には酷似している。しかし、両者が担う力学的役割と施工対象は根本的に異なる。
端的に言えば、プライムコートは路盤という「異素材」に浸透させて地盤を固める処理であり、タックコートはアスファルト層同士を強力に「糊付け」する接着処理である。タックコートの主な役割は、基層と表層の間、あるいは既設アスファルト舗装の切削面と新設アスファルト層との間に薄い皮膜を作り、水平方向のせん断力(ブレーキや加速によるズレ)に耐えうる付着強度を確保することにある。
施工現場での取り違えを防ぐため、両者の技術的諸元を下表に整理した。
項目プライムコート(Prime Coat)タックコート(Tack Coat)編集部の見解・実務上の着眼点施工対象箇所路盤工の最上面(粒度調整砕石、セメント・石灰安定処理路盤など)アスファルト層間(基層の上、打換え時の切削面、コンクリート版上)「路盤相手ならプライム」「アスファルト・コンクリート相手ならタック」と峻別する。主な目的・機能路盤表面の浸透安定化、防水効果、上層とのなじみ向上上下層の接着・一体化(水平せん断抵抗力の確保)プライムは浸透性を、タックは高い接着強度(タック性)を追求する。使用アスファルト乳剤PK-3(低粘度・浸透用カチオン乳剤)、PK-2PK-4(急分解性カチオン乳剤)、改質乳剤(PKR-T等)粘性と分解速度が異なるため、現場での乳剤タンク間違いは絶対厳禁。標準散布量基準1.0 〜 2.0 L/m²(路盤種別により設計)0.3 〜 0.6 L/m²(薄く均一に塗布)プライムは空隙へ吸わせるため散布量が約3倍以上多い。道路舗装 養生期間浸透および水分蒸発のため、通常24時間程度乳剤分解(褐色から黒色化)まで30分〜2時間程度プライムコートは工程上の待機時間が長いため、工程計画の巧拙が問われる。